Skip to content

家賃の値上げ通知が届いたらどうする?すぐ同意する前に確認したいポイント

賃貸マンションやアパートに長く住んでいると、突然管理会社や大家から家賃改定の通知が届く場合があります。

「次回更新から月5,000円値上げします」

「周辺相場の上昇に伴い賃料を改定します」

このような案内を見ると、従うしかないと思ってしまう人もいるでしょう。

反対に、「値上げは拒否できると聞いたから無視すればいい」と考える人もいるかもしれません。

どちらも早すぎる判断です。

家賃値上げの通知が届いたら、まず現在の契約内容、新しい家賃、開始時期、値上げ理由を確認して下さい。

そのうえで周辺物件や現在の部屋の条件と比較し、提示された金額に納得できるかを考えます。

通知を受け取った日に署名しない

家賃改定の案内と一緒に、新しい賃料が記載された更新書類や同意書が届く場合があります。

書類が届いたからといって、内容を確認せずその日のうちに署名する必要はありません。

まず書類を読み、新しい条件を把握して下さい。

現在の家賃。

改定後の家賃。

管理費。

値上げ開始日。

改定理由。

回答期限。

確認したい項目を書き出し、不明な部分があれば管理会社へ質問します。

月額ではなく年間でいくら増えるか計算する

月3,000円や5,000円の値上げなら、それほど大きくないように感じるかもしれません。

しかし、年間へ換算すると負担は変わります。

月3,000円なら年間36,000円。

月5,000円なら年間60,000円。

月8,000円なら年間96,000円です。

さらに2年間住むなら、その金額は倍になります。

「月にいくら増えるか」だけでなく、「この部屋へ今後住み続けた場合に総額でいくら増えるか」を計算してみて下さい。

交渉する価値がある金額なのかも判断しやすくなります。

値上げ率も確認する

同じ5,000円の値上げでも、元の家賃によって負担感は異なります。

家賃50,000円から55,000円なら10%増です。

家賃100,000円から105,000円なら5%増になります。

値上げ額と合わせて、現在の賃料に対して何%増えるのかも確認して下さい。

ただし、「何%までなら必ず認められる」「何%を超えたら必ず拒否できる」と一律に考えるのは避けましょう。

物件条件や周辺相場なども含めて確認する必要があります。

「周辺相場が上がった」だけで納得しない

家賃値上げの理由としてよく見かけるのが、近隣の賃料相場の上昇です。

確かに周辺物件の家賃は判断材料になります。

ただし、同じ駅の物件だから比較できるとは限りません。

築年数。

専有面積。

間取り。

駅からの距離。

階数。

建物構造。

設備。

こうした条件によって家賃は変わります。

管理会社が「周辺相場」を理由にしているなら、どのような物件と比較して算定したのかを確認してみて下さい。

自分でも類似物件を3件以上探してみる

値上げ額が妥当なのか判断するため、自分でも周辺物件を調べてみましょう。

一件だけでは、その物件だけ特別に安い可能性があります。

できれば複数の物件を確認します。

最寄り駅。

徒歩分数。

築年数。

面積。

間取り。

設備。

現在住んでいる部屋と近い条件へ絞って下さい。

家賃だけではなく、管理費を含めた毎月の負担額で比較するとわかりやすくなります。

募集家賃と実際の契約家賃は分けて考える

不動産ポータルサイトを使えば、周辺で募集中の部屋を簡単に確認できます。

ただし、掲載されている金額は基本的に募集条件です。

実際にその金額で契約されたかまではわからないケースがあります。

また、礼金なし、フリーレント、更新料、管理費などによって実質的な負担も変わります。

検索結果へ表示された金額だけを見て、「大家の値上げは完全におかしい」「自分の家賃は安すぎる」と断定しないようにして下さい。

複数の情報を比較する材料として使いましょう。

築年数と設備の差も書き出す

同じ地域で同じ間取りでも、築5年と築30年の物件では条件が違います。

新しい物件には、

オートロック。

宅配ボックス。

浴室乾燥機。

モニター付きインターホン。

独立洗面台。

などが設置されている場合があります。

現在住んでいる部屋にこうした設備がないなら、単純な家賃だけで比較しない方がよいでしょう。

建物や設備の状態も比較材料として整理して下さい。

修繕されていない部分も記録しておく

長く住んでいる部屋では、設備や共用部分に不具合が出ている場合があります。

玄関ドアの建て付けが悪い。

給湯設備が古い。

共用部分の管理状態が良くない。

以前から修繕を依頼している箇所がある。

こうした問題があるなら、写真や管理会社へ送ったメールなどを残しておきましょう。

「古いから値上げできない」という意味ではありません。

提示された比較物件と本当に同程度の住環境なのかを考える材料として使います。

最初の返信では値上げ根拠を尋ねる

家賃値上げに納得できない時も、最初から強い文章を送る必要はありません。

「絶対に払いません」

「勝手に値上げするのは違法です」

このように断定すると、その後の話し合いが進みにくくなる場合があります。

まずは、

「賃料改定の内容を検討したいため、新賃料の算定根拠や比較した周辺物件について教えていただけますでしょうか」

というように、判断するための資料を求める形で連絡します。

回答を確認してから、自分の希望を伝えて下さい。

家賃値上げを拒否できる条件や交渉方法を確認する

家賃値上げでは、「通知が来たら従うしかない」「断れば必ず現行家賃のままになる」という二択では考えない方が安全です。

値上げ理由、近隣相場、現在の契約、物件条件を確認したうえで話し合います。

家賃値上げを拒否できるのか、大家や管理会社へどのように伝えるのか、周辺相場の調べ方や交渉時に準備したい資料まで詳しく確認したい方は、家賃値上げを拒否する際の交渉方法と管理会社への伝え方を参考にして下さい。

値上げを完全に断るだけでなく、増額幅や開始時期を話し合う考え方も確認できます。

長期間住んでいるなら入居実績も伝える

同じ部屋へ長期間住み、家賃の滞納もなく、大きなトラブルも起こしていないなら、その点を伝える方法があります。

たとえば、

「これまで○年間入居しており、今後も長く住みたいと考えています」

と伝えます。

長期入居だけを理由に値上げがなくなるとは限りません。

それでも、これからも住み続けたいという意思を示したうえで条件を相談する材料にはなります。

全額拒否だけを交渉のゴールにしない

月5,000円の値上げを求められた場合、現行家賃を維持できれば理想的だと考える人は多いでしょう。

しかし、話し合いの着地点はそれだけではありません。

5,000円を2,000円へ縮小する。

値上げ開始を半年後へ延ばす。

設備修繕を依頼したうえで条件を検討する。

このような形も考えられます。

最初から「1円でも上がったら負け」と考えるより、自分が納得できる条件を決めておく方が話し合いやすくなります。

減額案を自分から提示する方法もある

提示された値上げ額は受け入れにくくても、一部なら検討できる場合があります。

たとえば月5,000円の増額に対して、

「5,000円の増額は家計への負担が大きいため難しいのですが、月2,000円であれば検討できます」

という形です。

その際、単に安くしてほしいと伝えるだけでなく、類似物件の賃料や現在の設備状態なども合わせて説明すると、自分の希望を伝えやすくなります。

電話だけで話を終わらせない

管理会社から電話で値上げについて説明される場合があります。

その場で話を聞くのは問題ありませんが、重要な条件は書面やメールでも確認して下さい。

いつからいくらになるのか。

何を理由に値上げするのか。

自分は何を回答したのか。

後から確認できる状態にしておくと、「言った」「言っていない」という問題を避けやすくなります。

電話した場合も、日時と担当者名、話した内容を簡単にメモしておきましょう。

値上げ通知を無視し続けない

値上げに納得できないからといって、管理会社からの連絡をすべて無視する方法はおすすめできません。

自分が何に納得できないのかを伝え、話し合う姿勢を示して下さい。

「現行賃料での継続を希望しています」

「算定根拠を確認したうえで回答したいです」

このように自分の考えを残します。

返事をしない状態と、値上げへ異議を伝えて協議している状態は同じではありません。

家賃そのものを勝手に止めない

値上げへ納得できないからといって、家賃の支払いそのものを止めるのは避けて下さい。

家賃値上げについて争いがある状態と、賃料を何も支払わない状態は別です。

特に自動引き落としを利用している場合は、管理会社側で金額が変更される可能性もあるため、引き落とし予定額を確認しておきましょう。

支払い方法について判断に迷う場合は、自己判断で放置せず専門窓口へ相談して下さい。

供託という言葉だけを見て自己判断しない

家賃値上げについて調べると、「供託」という制度を見かける場合があります。

しかし、値上げ通知が届いただけで自動的に利用する制度ではありません。

賃料をどのように支払うべきかわからない状態になった場合は、現在の状況を整理し、法務局や法律の専門家などへ確認して下さい。

インターネット上の体験談だけを読んで同じ対応をするのは避けた方が安全です。

更新書類では普通借家か定期借家か確認する

契約更新のタイミングで家賃値上げを提示される場合があります。

この時は、現在の賃貸借契約書も確認して下さい。

普通借家契約なのか。

定期借家契約なのか。

更新に関してどのような記載があるのか。

更新料はいくらなのか。

契約の種類によって考え方が変わるため、「更新だから値上げを受け入れなければ退去」という単純な判断は避けましょう。

引っ越した場合の費用とも比較する

値上げ幅が大きいと、引っ越した方が安いと考える人もいるでしょう。

その場合は、新しい部屋の家賃だけで比較しないようにして下さい。

敷金。

礼金。

仲介手数料。

保証料。

引っ越し代。

家具やカーテンの買い替え。

こうした初期費用も発生します。

現在の部屋へ住み続けた場合の増額分と、引っ越しに必要な総額を比較して判断して下さい。

話し合いでまとまらなければ専門家へ相談する

管理会社や大家と何度話しても合意できない場合は、一人で判断し続ける必要はありません。

消費生活相談の窓口。

法律相談。

法テラス。

弁護士。

状況に応じて相談先を検討して下さい。

その際には、賃貸借契約書、値上げ通知、管理会社とのメール、比較した周辺物件などをまとめておくと説明しやすくなります。

まとめ|家賃値上げ通知が届いたら拒否より先に根拠を確認する

家賃値上げの通知が届いた時は、その場で慌てて同意する必要はありません。

まず、現在の家賃、新しい家賃、値上げ開始日、理由を確認して下さい。

さらに、月額だけでなく年間の負担増を計算します。

近隣相場が理由なら、自分の部屋と築年数、広さ、設備、駅からの距離などが近い物件を複数比較しましょう。

納得できない場合も、最初から強く拒絶するのではなく、算定根拠を尋ね、自分が現行賃料を希望する理由を伝えます。

完全な据え置きだけでなく、値上げ幅を小さくする、開始時期を遅らせるなど、自分が納得できる条件を考える方法もあります。

そして、家賃そのものの支払いを止めたり、通知を放置したりせず、重要なやり取りは書面やメールで残して下さい。

話し合いで解決できない時は、契約書や資料を用意したうえで専門窓口へ相談しましょう。